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【遠征レポート】メキシコ7日目

2021-10-08



メキシコ遠征7日目。10月4日。

前夜はモンテレイ大会を終えて深夜、ホテルに戻って一泊。

そして、数時間後にはメキシコシティへ移動というハードなスケジュールをこなす一行。まずは朝5時30分にホテルに迎えに来てくれたプロモーターのミゲル・セローン氏(ERLL主宰)と、空港で別れを告げたあと、飛行機でメキシコシティへ帰還。

1週間の節目となる今日は、CMLLの持つ本拠地の一つ、アレナプエブラ大会。まずはその前に宿泊所に戻り、ほんの1時間半ほど、次の準備をしてもうCMLL事務所へ向かって出発。

このメキシコ遠征、試合、撮影、取材、練習…とひたすら続く強行日程なのだが、選手たちは決して泣き言一つ言わず、スケジュールをこなしている。

CMLLというメジャー団体の持つ、スケールの大きさをそれぞれが実感している真っただ中だ。

さて、大会への出発前にまずはCMLL事務所にてメキシコの新聞「ESTO」紙のZOOM取材。「ESTO」紙はメキシコを代表するメジャー新聞である。



記者からいよいよ目前に迫った女子版グランプリに向けての質問をされると、「自分は常日頃女子プロレス広めたいと思ってるんですね。それで、まだアレナ・メヒコでの一試合しかしてないのに、街で「ツカサー!」とたくさん声をかけられました。ああ、CMLLに出るのはこういうことだな、と思いましたね。なので、女子版グランプリでの優勝が女子プロレスを広めることにつながるのでぜひ優勝したい」(藤本)

「私のキャリアでアレナメヒコのリングに立たせてもらえるのは奇跡と思っていました。それに加えて初めてのグランプリへの出場という、私はラッキーガールと思ってます。ただラッキーでは終わらず私達のチームが優勝できるように貢献したいです」(向後)と答えた。

そして、つくしには記者からこう告げられた。「私は1年半前、あなたがメキシコへ来たときに、『もし女子版のグランプリが開かれたらどうしますか?』と質問しました。覚えてますか?」

これにつくしは、「はい、もちろん覚えています。あのとき、自分は『女子版グランプリに参加したい』と答えました。自分がそう言ったから実現したと勝手に思ってます。なので言い出しっぺの自分が優勝しなきゃいけないと思ってます」と1年半のことを思い起こした。

あのとき、つくしは今回のように数多くのメディアから取材を受けたが、その一つがESTO紙だった。つくしにとってグランプリへの参加は、1年半前から結ばれていたのかも知れない。

取材後は、バスの出発まで少し時間があるため、アレナメヒコ周辺で開かれている元ルチャドール・ベビーフェースの経営するチャーハン店へ。ベビーさんは、引退後、日本で覚えたチャーハンの作り方をもとにメキシコでお店を開き、つくしも1年半前、何度もここへ通い、持ち帰りしてバスに乗り込んだものだ。



「あー。ベビーさん、覚えてるかな。あのとき、“チャパリータ”って呼んでもらってたけど、今日はどうかなー」と緊張と期待をにじませながらお店へ。すると、ベビーさんは3人の姿を見ると、何かを思い出したかのように見つめると、つくしに「チャパリータ!」と呼びかける。しっかりと覚えてくれていたようだ。「うれしー」と喜ぶつくしだが喜んでいたのはここまで。即座にヘッドロックを食らい、さらに指をつかまれると、指四の字攻撃(笑)。

その光景を見て喜んでいた藤本が今度は変形の(笑)指四の字を食らうハメに。ベビーさんはこうして訪れた選手たちへジャベを仕掛けるのが特徴なのだ。



その後、なんとお店の中に入ってチャーハンを実際に焼いてみるという体験までさせてくれた。ベビーさんはつくし着がていたTシャツを見て、「1枚奥さんにほしい」とリクエスト。つくしも「次来る時に持ってきます」と約束した。

ちなみにベビーさんのお店、いろんな選手のチャーハンメニューがあるのだが、3人が選んだのはOKUMURA。白身の卵が全面に乗り、中はしょうゆ味の白ご飯という日本人好みの味だ。

こうして移動バスに乗り込んだ3選手はアレナプエブラへ。



会場到着後、少し時間があったので、会場付近を散策。プエブラは世界遺産にも登録されている街で、会場周辺にも教会が点在しており、撮影しながら街並みを見て回る。プエブラを下調べしていた藤本は「プエブラって天使の町なんですよね」と撮影時に天使のポーズも。



向後は「なんか全部オシャレすぎてフォトジェニックみたいでかわいいですね。なんか、ずっとここに住んでいたくなりますね」と早くも魅了された様子だった。
その後はプエブラ大会。大会に先立ち、アレナプエブラの責任者・ベンハミン・マル氏へのご挨拶。マル氏はCMLLメインブッカーのフアン・マヌエル・マル氏の兄弟であり、故・ブラックキャットさんへの従妹にもあたる。



つくしは1年半前の遠征ではアレナプエブラでの試合は組まれていなかったため、これが初試合となる。(マル氏のインタビューは別項で掲載)。

日本対メキシコ対抗戦第2ラウンドは、3人によるクラウチングスタートからのドロップキックも見事決まって、ERLLの大会を含めると、これで3連勝。メキシコでの実績を着実に積み上げている。

10月8日女子版グランプリに国民の関心が高まる中、3人は絶好調で本番へ挑む。

〈記事・写真提供:泉井弘之介〉